動脈硬化や心血管病の予防効果が期待できる薬用食材とは?

厚労省の人口動態統計(2018年)によると、日本人全体の死因割合円グラフのようになります。

そして、男女別の死因順位は、男性では、①がん(31%)、②心疾患(14%)、③脳血管疾患(7.5%)、④肺炎(7.5%)、⑤老衰(4%)であり、女性では、①がん(23%)、②心疾患(17%)、③老衰(12%)、④脳血管疾患(8%)、⑤肺炎(6%)です。

つまり、男性では心疾患と脳血管疾患を合わせた心血管病が21.5%を占め、がんに次いで多いのですが、女性では心血管病が25%を占めており、がんよりも多いという様相です。

2018年、台湾の台北にある国立防衛医療センターから「薬用食材とアテローム性動脈硬化」というレビュー(総説)が発表されました。

アテローム性(粥状)の動脈硬化は血管内壁に過酸化脂質性のプラークが溜まり、慢性的な炎症が起こって発症し、やがて脳卒中や心筋梗塞といった重篤な心血管病を引き起こすことになります。

薬用食材には、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血栓(抗凝固・抗血小板)作用などがあり、これらの作用の協働によって、アテローム性動脈硬化症やこれに起因した心血管病を予防できる可能性があります。

ただし、これらの効果は、in vitro(試験管や培養器内で動物やヒトの組織を用いた)実験、in vivo(動物を用いた)実験、ヒトの集団(疫学)調査および臨床研究に基づく総合的な判断から”動脈硬化を含む心血管病の予防効果が期待できる”という観点で捉えていただきたいと思います。

では、動脈硬化やこれに起因した心血管病の予防が期待できる薬用食材とは、どんなものなのでしょうか?

それは、効果の程度(順位)は比較評価されていないので、実用性の高いものから順に列挙すると、①しょうが、②にんにく、③とうがらし、④黒こしょう、⑤うこん、⑥シナモン、⑦ローズマリー、⑧ブラッククミン、⑨サフラン、⑩コリアンダーなどとなります。

この中で、シナモンは日常的にはあまり摂れませんし、ローズマリーは香りづけにはいいのですが実用的ではなく、ブラッククミンは苦味が強くて美味しくない黒い種であり、サフランは黄色いサフランライスでおなじみの上品な香りですが高価すぎて一般的ではありませんし、コリアンダー(パクチーともいう)も常食には向かない感じです。

では、しょうが、にんにく、とうがらし、黒こしょう、うこんは、どのような機序で動脈硬化やこれに起因した心血管病の予防効果が期待できるのでしょうか?

これらの薬用食材には共通して、抗酸化、抗炎症、抗血栓作用に加え、脂質異常を改善する働きや脂質過酸化を抑制する働きがあります。

もちろん、ねぎや玉ねぎもにんにくと同じネギ属であるため、にんにくと同様な動脈硬化やこれに起因した心血管病の予防効果が期待できます。

このように、しょうが、にんにく、とうがらし、黒こしょう、うこんを組み合わせて、習慣的に摂取することで、程度には個人差がありますが、日本人が亡くなりやすい心血管病の予防が可能になると考えられます。

ちょっと、手前味噌になりますが、拙著「医学博士が考案した長生きふりかけ」(サンマーク出版)では、しょうが、にんにく、とうがらし、かつおぶしの4つの食材でつくるふりかけを提案していますが、そのうちの3つの食材には動脈硬化やこれに起因した心血管病を予防する可能性があります。

「長生きふりかけ」の4食材に、「オメガ3脂肪酸(くるみ、青魚)」、「煎茶」、「酢」、「シナモン」をときどき加えて摂るようにすれば、動脈硬化やこれに起因した心血管病の予防効果がさらにパワーアップすると考えられます。