口腔がん(舌がん)の予防や進行抑制に効果的な食材とは?

2月19日、タレントの堀ちえみさんが、ご自身のブログで「口腔がん(舌がん)」であることを公表しました。

そこで、口腔がん(舌がん)の予防ないし進行抑制に効果がある食材とは何かを調べました。

第一の候補は「お茶」です。

これまでの14編の関連論文をメタ分析によって総合的に評価したところ、お茶を多く飲む人はほとんど飲まない人に比べ、口腔扁平上皮がん(oral squamous cell carcinoma; OSCC)のリスクが0.7倍でした(中国/武漢中央病院、2018)。そして、一日あたりお茶1杯につき、OSCCのリスクが6.2%ずつ低下することも分かりました。ただし、紅茶では効果がなく、緑茶ウーロン茶に限ります。

緑茶(煎茶)に多い「エピガロカテキンガレート(EGCG)」やその類似体である「ウーロン茶重合ポリフェノール(OTPP)」は、上図に示すように、OSCC細胞をアポトーシス(細胞の自死)に誘導させるカスパーゼ経路を活発にしたり、オートファジー関連遺伝子群を活性化してオートファジー(細胞内分解機構である自食作用)を活発にして細胞のがん化を抑制するほか、抗がん剤シスプラチンに耐性のOSCCに対しても、多剤耐性遺伝子-1(MDR-1)の機能を抑制して、OSCCを予防したり、進行抑制したりします(台湾/国防医学院、2017)。なお、舌がんに対するシスプラチンの有効性(陽性率)は32%くらいです。

一方、生姜を加熱すると増える「ショウガオール」には、動物実験ですが、人工的に発生させたOSCCに対して、NF-κBやAP-1といった転写因子の活性化を阻害して、OSCC細胞の増殖を抑える働きがあります(インド/アンナマライ大学、2018)。

このように、OSCCの予防や進行抑制には生姜緑茶が効果的ですので、OSCCの手術や抗がん剤などの施療とともに、このような食材を積極的にとることも大事であると考えます。特に、抗がん剤を使用すると、吐き気や嘔吐といった副作用が現れますが、生姜にはこのような吐き気や嘔吐を抑える働きもあります。

そのほか、ウコンの主成分の「クルクミン(特に微細化したナノクルクミン)」は抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)を微細化したナノ5-FUによるOSCC治療に際して、治療効果を高め、しかも副作用が抑えられるようです(インド/キングジョージ医科大学、2018)。なお、舌がんに対する5-フルオロウラシルの有効性(陽性率)は40%くらいです。

抗がん剤のシスプラチンと5-FUの両方に有効(陽性)な舌がんは20%、どちらか一方の抗がん剤に有効(陽性)な舌がんが40%、そして両方の抗がん剤があまり効かない舌がんが40%です。

さらに、モズク、コンブ、ワカメなどの海藻に含まれるぬめり成分の「フコイダン」も、OSCC細胞の浸潤を減少させ、OSCC治療の補完的アプローチになり得るそうです(中国/山東大学、2017)。