花粉症の症状を緩和するのに効果的な食材とは?

2月に入ると、日本人のおよそ2,000万人が、鼻水・目のかゆみ・くしゃみ・鼻づまりなどの花粉症に悩み始めます。

そこで、花粉症の症状を緩和する食材やその成分のエビデンス(科学的根拠)を調べてみました。

そもそも、花粉症は季節性のアレルギー性鼻炎の一種で、I型(即時型)アレルギーに分類されます。

I型アレルギーは、1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)のバランスが崩れて、Th2が優勢な状態であり、このような状態ではIL-4、IL-10、IL-13などのサイトカイン(生理活性物質)がB細胞を活性化し、そこに花粉などの抗原(アレルゲン)が入ってくるとB細胞から免疫グロブリンE(IgE)抗体が産生され、このIgE抗体が鼻粘膜などにある肥満細胞(マスト細胞ともいう)に結合し、そこに再度、侵入した花粉などの抗原が結合すると、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出され、鼻水や目のかゆみなどの諸症状をもたらします。

そのため、花粉などの抗原が体内に侵入しないようにすることが最も大切ですが、完全防備することはかなりむずかしいと思います。

そこで食材の出番ですが、食材はその種類によって、免疫系の三つの段階に作用することによって花粉症の症状を緩和します。

第一段階は、「Th1<Th2の状態をTh1≒Th2の状態に戻すこと」です。

このように戻す食材には、ラクトバチルス・アシドフィリスL-55という乳酸菌の入ったヨーグルト(南岡山医療センター,2012)やラクトバチルス・プランタラムの入ったキムチ(韓国/中央大学校,2011)、ウコンのクルクミン(韓国/食品研究所,2015)およびコショウのピペリン(韓国/全北大学校,2017)があります。

第二段階は、「Th1<Th2の状態で放出されるサイトカイン(IL-4, IL-10, IL-13など)の放出を防ぐこと」です。

このような食材として、ショウガ(中部大,2016)とシナモン(ドイツ/ホーエンハイム大学,2016)があります。

ショウガのジンゲロールはTh1とTh2の両方の活動を抑え、IL-4やIL-13といったサイトカインの放出を、シナモンのシンナムアルデヒドはIL-10の放出をそれぞれ減らすためB細胞があまり活性化しません。

第三段階は、「B細胞の活性化を抑えてIgE抗体の産生を防ぐこと」です。

このような食材として、緑茶(静岡大,2004; 台湾/中国医薬大学,2014)や魚油のDHA(ドイツ/シャリテ大学ベルリン,2011)、ココア(スペイン/バロセロナ大学,2012)および赤シソ(広島大,2017)があります。

緑茶に含まれるメチル化カテキンやエピガロカテキンガレート(EGCG)、青魚に多く含まれるω3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)、ココアやビターチョコに含まれるカカオポリフェノール、赤シソに含まれるアントシアニンやロスマリン酸といったポリフェノールがIgE抗体の産生を減らして肥満細胞からヒスタミンなどが放出されるのを防ぎます。

したがって、花粉症の発症やその症状を効果的に抑えるには、各段階から少なくとも一種類の食材を選択して摂り入れるようにします。

特に、第一段階のTh1<Th2の状態をTh1≒Th2の状態に戻すには一か月くらい時間がかかるので、花粉症に効く乳酸菌の入ったヨーグルトやキムチは早めに摂り始めた方がよいでしょう。

あるアンケート調査(複数回答)によると、花粉症の予防や改善のために試してみたい食材として、①ヨーグルト、②カカオ高含有チョコ、③青魚、④シソ、⑤レンコン、⑥海藻、⑦酒粕、⑧甜茶などが挙げられていましたが、①~④までは正しい選択だと思います。

私(食品医学研究所長)のおすすめは、一日に1回はヨーグルトキムチを食べ、毎食時に生姜緑茶」を飲むことです。