緑茶は日本人がかかりやすいがんを予防する可能性大である!

日本人がかかりやすいがん(悪性腫瘍)を部位別でみると、①大腸がん、②胃がん、③肺がん(以後、気管・気管支を含む)、④乳がん、⑤前立腺となります。

これを男女別にみると、男性は①胃がん、②肺がん、③大腸がん、④前立腺がん、⑤肝臓がんであり、女性は①乳がん、②大腸がん、③胃がん、④肺がん、⑤子宮がんです。

そこで、これらのがんについて、緑茶に予防効果があるのかどうか、これまでに報告された集団調査(疫学調査)の結果を見て行きたいと思います。

その際、複数の集団調査の論文をメタ分析という統計手法を用いて総合評価した結果は、一つだけの集団追跡調査の結果よりも信頼性が高いと言えます。

1)大腸がんについては、中国の南京医科大学による29編のメタ分析(2017)で、緑茶を多飲する人はほとんど飲まない人に比べ、大腸がんの発症リスクが0.87倍(有意差あり)でした。

米国のバンダービルト医科大学による集団追跡調査(2007)によると、緑茶をよく飲む中国人女性では大腸がんの発症リスクが0.63倍(有意差あり)となっています。

2)胃がんについては、中国の同済大学での13編のメタ分析(2017)で、緑茶を一日6杯以上飲む人は胃がんの発症リスクが0.79倍(有意差あり)であり、25年以上飲み続けている人に限っては0.59倍ですが、非常に熱い緑茶を飲んでいる人は何と7.60倍にもなります。

国立がんセンターによる6編のメタ分析(2012)で、緑茶を一日5杯以上飲む人は胃がんの発症リスクが0.79倍(有意差あり)でした。

また国立がんセンターによる集団追跡調査(2009)で、緑茶を一日5杯以上飲む日本人女性においても胃がんの発症リスクが0.79倍(有意差あり)でした。

3)肺がんについいては、中国の同済大学での36編のメタ分析(2014)で、緑茶を多く飲む人はほとんど飲まない人に比べ、肺がんの発症リスクが0.78倍(有意差あり)でした。

4)乳がんについては、イタリアのペルージャ大学による13編のメタ分析(2018)で、緑茶を多く飲む人はほとんど飲まない人に比べ、乳がんの発症リスクが0.85倍(有意差あり)で、特に乳がんの再発リスクは0.81倍(有意差あり)でした。

これまで、国立がんセンターによる集団追跡調査(2014)では、緑茶は日本人の乳がんの予防にはほとんど役立たない(有意差なし)ということでしたが、上記の関連論文13編の総合評価によると、わずかながら乳がんの発症リスクや再発リスクを減らすようです。

5)前立腺がんについては、中国の武漢大学中南医院による10編のメタ分析(2017)によると、緑茶を一日7杯以上飲む人はほとんど飲まない人に比べ、前立腺がんの発症リスクが0.38倍(有意差あり)でした。

香港のプリンス・オブ・ウエールズ病院での追跡調査(2017)でも、緑茶を習慣的に飲んでいる香港の男性は前立腺がんの発症リスクが0.60倍(有意差あり)となり、特に緑茶のエピガロカテキンガレート(EGCG)が予防効果を発揮するようです。

しかし、東北大学での集団追跡調査(2006)では、緑茶は前立腺がんの予防には役立たない(有意差なし)という結果でした。

6)肝臓がんについては、中国の同済大学でのメタ分析(2017)で、緑茶を一日5杯以上飲む人は飲まない人に比べ、肝臓がんの発症リスクが0.62倍(有意差あり)でした。

中国の南京医科大学ドラムタワー病院による9編のメタ分析(2016)では、緑茶を多く飲む人はほとんど飲まない人に比べ、肝臓がんの発症リスクが0.88倍(有意差あり)となり、女性に限れば0.78倍(有意差あり)でした。

7)子宮がんについては、中国湖南省にある常徳市第一人民医院によるメタ分析(2016)で、緑茶を多く飲む人はほとんど飲まない人に比べ、子宮体部がんの発症リスクが0.78倍(有意差あり)でした。

佐賀大学医学部の末岡榮三朗先生は総説(2018)の中で、緑茶のがん予防法について第一次予防として緑茶を常飲することと、第三次予防として緑茶を抗がん剤と併用することで再発や転移を防ぐことを挙げています。

たとえば、女性で緑茶を一日10杯以上飲む人のがん発症平均年齢は74.3歳でしたが、3杯以下の人は67.0歳で、7.3歳の差がありました。

男性で緑茶を10杯以上飲む人は68.2歳でしたが、3杯以下の人は65.0歳で、3.2歳の差がありました。

これらのことから、緑茶による部位別がんの予防効果を主観的に◎=大いに効果あり、○=おそらく効果あり、×=おそらく効果なしで表すと

◎大腸がん⇒0.87倍

〇胃がん⇒0.79倍/0.79倍/0.79倍(日本人男性では効果なしという報告も)

◎肺がん⇒0.78倍

〇乳がん⇒0.85倍(日本人女性では効果なしという報告も)

〇前立腺がん⇒0.38倍/0.60倍(日本人男性では効果なしという報告も)

◎肝臓がん⇒0.62倍/0.88倍

◎子宮体部がん⇒0.78倍

となり、緑茶は日本人がかかりやすい部位のがんすべての予防におそらく有効であることがわかりました。

これからは、中高年者はがん予防のためにも、日頃から緑茶をたくさん飲む習慣をつけていただきたいと思います。

できれば、メタボのほか、がん予防効果も大いに期待できる「生姜」と一緒に「緑茶」を摂る『生姜緑茶』習慣を是非、始めてみてはいかがでしょうか?