生姜は肺がんなど様々ながんの予防に役立つ可能性あり

日本人の死亡原因(2017)の約28%はがん(悪性腫瘍)であり、部位別でみると、男性は①肺がん(気管・気管支を含む)、②胃がん、③大腸がん、④肝臓がん、④膵臓がんで亡くなる人が多く、女性は①大腸がん、②肺がん(気管・気管支を含む)、③膵臓がん、④胃がん、⑤乳がんで亡くなる人が多い。

つまり、日本人の男性は肺がん、女性は大腸がんで亡くなる人が最多であることがわかります。

肺がんは、非小細胞がんと小細胞がん(成長が早く転移しやすく肺がん全体の10~15%)に分けられ、非小細胞がんはさらに腺がん(女性に多く肺がん全体の50%程度)、扁平上皮がん(喫煙者に多く全体の25~30%)、大細胞がん(全体の数%)に分けられます。

生姜は、肺がんに限らず、がんの予防に役立つスパイスのトップ5(ニンニク、ショウガ、シナモン、ウコン、トウガラシ)に入っています。

米国のミネソタ大学での報告(2014)によると、肺がん全体の85~90%を占める非小細胞がんの予防には生姜の主要成分のショウガオールがよいそうです。

下図Aではショウガオールが濃度依存的に時間経過とともに肺がん細胞の増殖を抑えており、図のBではショウガオールが濃度依存的に肺がんのコロニー形成数を減らしており、図のCではショウガオールが濃度依存的に肺がん細胞の細胞死(アポトーシス)を誘導しています。

この報告によると、蛋白質リン酸化酵素(Akt-1/2)は、がんの細胞死(アポトーシス)を制御する重要な細胞内シグナル伝達因子であり、このAkt-1/2の活性化が肺がんや乳がんなど、様々ながんの病因となっていますが、ショウガオールがAkt-1/2の活性を抑えることによって、がんの成長を阻止し、細胞死へと誘導するということです。

一方、ベトナムのTon Duc Thang (トン・ドゥク・タン)大学の総説(2018)によれば、生の生姜に多いジンゲロールも慢性の炎症を抑えたり、各種のがん関連の細胞内シグナル伝達経路を遮断したりして、がんの増殖や浸潤を食い止めて、がんの予防に役立つそうです。

また、米国のテキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターの総説(2015)によれば、試験管内実験や動物実験では、生姜には肝臓がん、膵臓がん、胃がん、大腸がんといったほとんどの消化器系がんに、その予防効果が認められているそうです。

そして、中国の中山大学(2016)の総説によると、生姜は肺がんのほか、大腸がん、乳がん、前立腺がんなどの予防に役立つ可能性があるといいます。

喫煙者や受動喫煙者は肺がんのリスクが高いので、普段から是非、生の生姜ではなく、加熱してショウガオールを増やした生姜を摂るようにすると、ジンゲロールとショウガオールの両方が摂れるので、肺がんの予防効果が期待できます。

生姜のジンゲロールやショウガオールは肺がんのほかに、大腸がん、乳がん、前立腺がんなど、様々ながんの予防に役立つ可能性があるので、中高年者は普段からショウガオールを増やした生姜を摂ることをおすすめします。