緑茶(煎茶)を粉末にして飲む場合には無農薬か、有機栽培のものを!

わが国のお茶に対する農薬の残留基準は、わが国の他の農作物に比べても、EUや米国のお茶に対する基準に比べても相当高いため、毎日習慣として緑茶(煎茶)葉を粉末にして飲んでいる人、製品の粉末緑茶を飲んでいる人、お茶の出がらしを調理して食べている人などは、残留農薬による人体への影響が懸念されます。

わが国のお茶に対する農薬の残留基準値が高い(甘い)理由として、①茶葉は直接食べるものではないこと、②1日の摂取量が少ない(湯呑で1日3杯程度を想定している)こと、③茶葉から急須で抽出したお茶に溶け出す農薬は10%未満であること、などがあげられます。

わが国の農薬の残留基準について、たとえば茶葉への使用頻度の高い『テブコナゾール』という殺菌剤は、米(玄米)0.05ppm、レタス5ppm、キャベツ3ppm、生姜0.2ppmですが、お茶に対しては何と米(玄米)の1,000倍の50ppmです。

ある検査機関が30銘柄の茶葉の残留農薬を調べたところ、13銘柄から4種類の農薬が検出され、その中で検出量が最も高かった農薬は『テブコナゾール』で、茶葉からは4.4ppmでしたが、その茶葉から急須で抽出したお茶では0.03ppmとなり、溶出したお茶を飲む限りは残留農薬の心配はほとんどないといえます。

なお、『テブコナゾール』のお茶に対する残留基準について、EUでは0.05ppm、米国では何と「不検出」となっています。

『テブコナゾール』の生体影響としては、各種毒性試験結果から体重増加抑制や肝機能障害、副腎細胞空胞化、甲状腺機能障害などが認められています。

しかも、お茶に使用できる農薬の種類は100種類近くあり、それぞれの農薬について残留基準値が決まっていますが、この高い(甘い)基準値以下であれば、どんなに農薬を使っても日本国内では問題なく流通できるのです。

つまり、急須で抽出したお茶を飲用する場合は健康上の心配はほとんどありませんが、茶葉を全部摂取してしまうような場合には、健康上の心配があります。

したがって、習慣として毎日、緑茶(煎茶)を粉末にして飲んでいる人、製品の粉末緑茶を飲んでいる人、茶の出がらしを調理して食べている人などは、残留農薬による生体への影響がほとんどない「無農薬」か、「有機栽培」の煎茶、あるいは残留農薬の少ない一番茶(新茶)を信頼できるメーカーや茶園から入手することを強くお勧めします。

最後に、ペットボトルのお茶の残留農薬についてはどうか?というと、市販銘柄のデータが公表されていないため、はっきりしたことは言えませんが、一般にペットボトルのお茶には値段の安い二番茶や三番茶を使うことが多く、春先に収穫する一番茶(新茶)にはあまり農薬を使いませんが、初夏に摘む二番茶は害虫が多くなるため数種類~十数種類の農薬を使い、さらに真夏に収穫する三番茶にも数種類の農薬を使うので、抽出したお茶ではあまり心配はありませんが、粉末化した茶葉が入ったペットボトルのお茶には残留農薬の心配があります。

なお、茶道や調理などで使う抹茶は一番茶を使うので残留農薬の心配はほとんどありませんが、それでも気になる人は、「無農薬」か、「有機栽培」の抹茶を選ぶとよいでしょう。