生姜も緑茶もメタボ気味の人の肝臓を保護し健康長寿を後押しします

【要旨】お酒をまったく飲まなくても、食べ過ぎや運動不足で起こる肝臓の病気、すなわち「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」や「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」になる人が増えています。しかし、生姜や緑茶を習慣的にとることによって、肝臓への脂肪の蓄積が減り肝機能が改善してきます。生姜や緑茶は肝機能を改善するだけでなく、メタボ気味の人の体重を減らしたり、高血糖や脂質異常を改善したりする効果もありますので、体に脂肪がつき過ぎている人やお酒好きな人には「生姜緑茶」習慣をおすすめします。

☞肝臓病の原因の約80%はウイルスによるものですが、その他にアルコールによるもの、肥満によるもの、中毒(毒素)によるものなどがあります。
最近、肝臓に中性脂肪が過剰にたまった「脂肪肝」が注目されていますが、アルコールをほとんど飲まない人に起こる脂肪肝を特に「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD;ナッフルディー)と呼んでおり、国内に約1,000万人いると推測されています。
そしてNAFLDは非アルコール性脂肪性肝炎(NASH;ナッシュ)に移行する可能性があり、NASHになるとその10%くらいは肝硬変や肝ガンになります。
なお、NASHは国内に100万~200万人いると推測されています。

生姜による肝機能改善効果について、イランのテヘラン医科大学の研究で、NAFLDの患者さんに、1日2gの粉末生姜を3カ月間とってもらったところ、ALT(IU/L)が36.6→30.5、GGT(IU/L)が40.3→30.3というように、肝機能が改善しました。

インドのヴェールール(Vellore)工科大学によるマウスでの研究では、生の生姜に多いジンゲロールはアセトアミノフェンという解熱鎮痛薬の過剰投与で引き起こされた肝臓障害に対して、肝機能を改善し肝臓を保護する効果があることを確認しています。

緑茶による肝機能改善効果について、久留米大学の研究によると、NAFLDの患者さんに、1日に約1gのカテキンを含む高濃度カテキン(粉末緑茶葉約7g相当)の飲料を3ヵ月間飲んでもらったところ、肝臓への脂肪の蓄積が減って、肝機能が改善しました。

パキスタンのシェイク・ザイード(Sheikh Zayed)医科大学では、NAFLDの患者さんを、1日あたりカテキン345mg入りのカプセル2個(粉末緑茶葉約4.6g相当)とる緑茶群と、プラシーボとして同量のセルロース入りカプセル2個をとる対照群に分け、両群での開始前と12週間後の肝機能などの指標の変化を比較しています。
結果は、のように、緑茶群では肝機能の指標であるALT(IU/L)が70.4→52.8、AST(IU/L)が65.8→44.3と有意に低下しましたが、対照群ではALTが74.0→72.0、ASTが62.4→59.0で有意な低下は認められませんでした。
その他の指標では、体重(kg)が緑茶群で86.0→80.0、対照群で84.0→85.0であり、緑茶はダイエットにも効果的です。
また、中性脂肪(mg/dl)が緑茶群で175→145、対照群で187→189であり、悪玉(LDL)コレステロール(mg/dl)が緑茶群で155→140、対照群で160→162であり、善玉(HDL)コレステロール(mg/dl)が緑茶群で36.8→46.4、対照群で35.4→32.0であることから、緑茶は脂質異常の改善にも効果的です。
さらに、緑茶群では心血管病のリスク評価に使われる高感度CRP(hs-CRP)値が下がる一方で、長寿ホルモンとか超善玉ホルモンとか呼ばれるアディポネクチンが増えることがわかりました。
1日に緑茶葉換算で4.6gを3ヵ月間とり続けるだけで、このようなすごい効果がでるとは驚きですね。

中国の南方医科大学珠江医院による16の論文の統合的評価(システマティック・レビュー)で、緑茶の常飲者は非常飲者に比べ、肝臓病のリスクが0.68倍となり、その内訳は肝臓ガン0.74倍、脂肪肝0.65倍、肝炎0.57倍、肝硬変0.56倍、慢性肝疾患0.49倍で、いずれの肝疾患のリスクも25~50%下がることがわりました。

名古屋市立大学医学部では、緑茶に関する34の臨床試験論文のうち、肝臓への副作用について言及している4つの論文を詳細に調べた結果、緑茶によって副作用が発生することはまれで、たとえあってもグレード1というマイルド(軽い)なものだったと結論づけています。

ついついお酒を飲み過ぎてしまうという人にもおすすめなのが「生姜緑茶」です。
エジプトのマンスーラ(Mansoura)大学でのマウスを用いた実験ですが、お酒と一緒に生姜をとっておくと、生姜によるデトックス(detoxifying)と抗酸化(antioxidant)作用によって、アセトアルデヒドなどのアルコール代謝物質による肝臓や脳の障害を防ぐことができるそうです。
また、ケニヤのイガートン(Egerton)大学でのマウスを用いた実験では、お酒と一緒に緑茶(ウーロン茶、紅茶も可)をとっておくと、お茶の抗酸化作用によって、アルコール代謝物質による肝臓の障害を防ぐそうです。
つまり、お酒の「生姜緑茶割り」とか、お酒と一緒に「生姜緑茶ドリンク」を飲むようにすると、多少お酒を飲みすぎてもアルコール代謝物質による肝臓などの臓器障害を防ぐことができます。
なお、アルコール代謝を速め、早く酔いを醒ますには、飲酒終了時点での「ハチミツ」摂取がおすすめで、生姜やお茶には酔いを早く醒ます働きはほとんどありません。

このように、生姜も緑茶もさまざまな原因による肝臓障害から肝臓を保護し、しかも副作用はほとんどないという優れた二大食材ですので、食べ過ぎや運動不足で肝臓に中性脂肪がごってり溜まっていそうな人やお酒が大好きな人は、「生姜緑茶」習慣を試してみてはいかがでしょうか?