生姜や緑茶は心血管病の予防にも役立つ

【要旨】全死因の4分の1を占める心血管病(循環器疾患)は、多くの場合、まずは動脈硬化から始まります。生姜は悪玉(LDL)コレステロールがフリーラジカル(活性酸素)によって酸化LDLに変わる、いわゆる酸化ストレスを抑えることによって、アテローム(粥状)プラークの形成を防ぎ、動脈硬化を抑えます。もちろん、緑茶も動脈硬化を抑える働きがあり、1日に緑茶を5杯以上飲んでいる人は、ほとんど飲まない人よりも脳卒中や心筋梗塞などの心血管病で亡くなるリスクが2~3割低いということがわかっています。つまり、生姜と緑茶はWの作用機序で動脈硬化ならびに心血管病のリスクを高めるメタボ要因を解消してくれますので、動脈硬化があまり進行していない、できるだけ早めの状態からの「生姜緑茶」習慣の励行をおすすめします。 

日本人の死因は悪性新生物(29%)、心疾患(15%)、肺炎(10%)、脳血管疾患(9%)の順で、心疾患と脳血管疾患を合わせた、いわゆる心血管病(循環器疾患)25%で、全死因の4分の1となっています。 

心血管病は動脈硬化に起因することが多く、動脈硬化は動脈にコレステロールや中性脂肪などが溜まって、詰まったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態を言います。「人は血管とともに老いる」と言われるように、加齢は動脈硬化の最大の危険因子ですが、喫煙やストレス、それに高血圧・糖尿病・脂質異常・肥満といったメタボ要因を解消することで、その進行を遅らせることができます。 

喫煙や高血圧などで動脈の内側を覆う内皮細胞が傷ついたり、悪玉(LDL)コレステロール値が高くなったりすると、内膜に入り込んだLDLがフリーラジカル(活性酸素)で酸化され、酸化LDLとなって内膜に溜まっていきます。これを排除するために、白血球の一種のマクロファージが内膜に入り込み、プラーク(脂質や細胞の残骸の塊)をつくり、血管壁が硬く厚くなって動脈硬化が始まります。プラークが増大してくると血管内腔が狭くなるとともにプラークが破れ、傷ついた血管を修復しようと集まってきた血小板や赤血球などにより、血管内に血栓が形成され、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こしてしまいます。 

では、生姜や緑茶で動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などの心血管病をどの程度防ぐことができるのでしょうか? 

まず生姜について、イスラエルのラパポート医学研究所でのマウスを用いた研究で、生姜が血管内膜での酸化LDLの生成を抑え、アテローム(粥状)プラークの形成を防ぎ、動脈硬化の進行を抑えることを明らかにしています。グラフは、生姜抽出物のフリーラジカル(活性酸素)消去能をビタミンEと比較したもので、濃度が濃い生姜抽出物の威力がお分かりになると思います。

中国の山東結核コントロールセンターでは、1877歳の男女4,628人を対象に対面形式での質問票調査で生姜摂取量と慢性疾患(高血圧、冠動脈疾患)との関係を調べました。それによると、毎日生姜をとる人は、ほとんどとらない人に比べ、高血圧になるリスクが0.92倍、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)にかかるリスクが0.87倍でした。このように生姜の日常摂取は高血圧や冠動脈疾患などの慢性心疾患を予防することが明らかになりました。 

緑茶について、国立循環器病センター主導の4574歳の人を対象にした多目的特定集団研究では、1日に緑茶を4杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べ、心血管病を起こすリスクが0.84倍、脳卒中を起こすリスクが0.8(脳梗塞のリスク0.86倍、脳出血のリスク0.65)でした。 

東北大学による4079歳の人を対象にした特定集団研究で、1日に緑茶を5杯以上飲む男性は1杯未満の男性に比べ、心血管病で亡くなるリスクが0.78倍であり、1日に緑茶を3杯以上飲む女性は、1杯未満の女性に比べ、心血管病で亡くなるリスクが0.69倍でした。つまり、1日に緑茶を5杯以上飲んでいる人は、ほとんど飲まない人よりも脳卒中や心筋梗塞などの心血管病で亡くなるリスクが23割低いということです。 

喫煙者に朗報です!韓国の全南(チョンナム)大学校病院での研究で、18gの緑茶を2週間とり続けることで、喫煙によって減少していた血管内皮前駆細胞(EPC;血管に障害が生じた際、内皮の補充や修復をする)の数や血流依存性血管拡張反応(FMD;血管の拡張性を表し、拡張が少ない場合には内皮機能が衰えてきている)の値が改善されることがわかりました。EPCの数やFMDの値が低下すると血管傷害や動脈硬化を起こしやすくなりますので、喫煙者はしっかり緑茶をとるようにして、心血管病を予防するようにしてください。 

以上のことから、「生姜緑茶」習慣は、動脈硬化、高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満を予防したり、病態を改善したりして、心血管病を遠ざけ、健康寿命の延長や長生きを後押ししてくれます。 

これらの効果に対して、特に抗酸化作用や抗炎症作用がジンゲロールよりも強いα,β不飽和ケトン部位を有するショウガオールと、抗酸化作用や抗血栓作用や血管拡張作用および血管平滑筋増殖抑制作用(動脈硬化や糖尿病性血管障害の予防)の強いガレート基(ガロイル基ともいう)部位を有するエピガロカテキンガレートWで大きな力を発揮します。