生姜も緑茶も花粉症などのⅠ型アレルギー症状の軽減に役立ちます

【要旨】花粉症・アレルギー性鼻炎・気管支喘息などのⅠ型アレルギーには免疫グロブリンE(IgE)という抗体が関係しています。生姜のジンゲロールや緑茶のエピガロカテキンガレート(EGCG)がIgE抗体の産生を抑え、生姜のショウガオールがマスト細胞(肥満細胞)からのヒスタミンなどの化学伝達物質の放出を抑え、アレルギー症状を軽減します。花粉症などのアレルギー症状を発症する1ヶ月くらい前から「生姜緑茶」習慣を開始すれば、花粉症などのアレルギー症状を極力抑えることができます。

アレルギーにはⅠ型からⅣ型まであり、アレルゲン(抗原)が体内に入った直後から数時間以内に症状が出るアレルギー反応がI(即時型)で、代表的なアレルギー疾患として、花粉症・アレルギー性鼻炎・気管支喘息のほか、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーも主にⅠ型に分類されます。このⅠ型アレルギーの症状は免疫グロブリンEIgE)というアンチゲン(抗体)が関係しています。 

たとえば、のように、花粉症の予防や症状軽減には、IgE抗体の産生を抑えるか、もしくは皮膚や粘膜に多く存在するマスト細胞(肥満細胞ともいう)中に詰まっているヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質の放出を抑える必要があります。 

通常は1型ヘルパーT細胞(Th1)2型ヘルパーT細胞(Th2)のバランスは保たれていますが、細菌やウィルスなどの異物の侵入が多いとTh1が多くなり、花粉やダニ・カビなどのアレルゲンの侵入が多いとTh2が多くなります。免疫バランスが崩れてTh1Th2の状態になるとIgE抗体が多量に産生され、次のアレルゲンの侵入時にアレルギー症状が起こるのです。 

生姜について、フランスのパリ第5大学(パリ・デカルト大学)によるマウスモデルで、生姜のジンゲロールがTh2過剰(Th1Th2)の免疫応答を修正して免疫バランスを整え、IgE抗体がつくられるのを抑えることを明らかにしています。 

一方、韓国の慶熙(キョンヒ)大学校によるラットモデルで、生姜のショウガオールがマスト細胞でのヒスタミンの放出を抑えることによってアレルギー症状を軽減することを明らかにしています。 

緑茶について、米国のニューヨーク州立大学南部医療センターでの試験管内実験で、緑茶のエピガロカテキンガレート(EGCG)IgE抗体の産生を抑えて、アレルギー症状を軽減することを明らかにしています。ということは、EGCGIgE抗体が高値になるアレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症のほか、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーにも効果があるかも知れません。 

(独法)農業技術研究機構の野菜茶業研究所では、スギ花粉症の人を対象とした臨床研究で緑茶と生姜による花粉症の症状軽減効果を調べました。その結果、「べにふうき」緑茶粉末1.5g×2/日のBF緑茶群と、「べにふうき」粉末緑茶1.5g×2/日に生姜抽出物30mg×2/日を加えたBF緑茶生姜群は、メチル化カテキンを含まない「やぶきた」緑茶粉末1.5g×2/日のYK緑茶群に比べ、スギ花粉の飛散増加に伴う症状の悪化が軽減され、鼻かみ回数も有意に少なくなりました。花粉症に関しては「やぶきた」緑茶よりも「べにふうき」緑茶のほうが、花粉症の症状軽減効果が高いことが分りました。 

生姜と緑茶によって花粉症の症状を軽減するには、少なくとも流行(発症開始)1ヵ月くらい前から「生姜緑茶」習慣を始めると、かなりの効果が期待できます。特にメチル化カテキンを含む「べにふうき」緑茶でなくとも、EGCGを多く含む「やぶきた」緑茶と生姜の組合せでも効果が期待できると思います。