生姜緑茶が脂質異常を改善してくれます

【要旨】脂質異常で中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患のリスクが高まります。しかし、生姜をとることによって、生姜のジンゲロールが膵リパーゼ(脂肪分解酵素)の働きを阻害することによって小腸での脂肪やコレステロールの吸収が抑えられ、中性脂肪や悪玉コレステロールが改善されます。緑茶の主にエピガロカテキンガレート(EGCG)は生姜と同様のメカニズムで、高めの悪玉コレステロールを改善します。脂質異常が気になる人は、天ぷらやとんかつといった脂っこいものを食べる際には「生姜緑茶」をとるようにしてください。

脂質異常症で医療機関にかかっている患者さんは約200万人で、女性は男性の約2.5倍です。 

脂質異常で中性脂肪や悪玉(LDL)コレステロールが高いと動脈硬化が進行しやすく、特に狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患のリスクが高まります。 

しかし、生姜と緑茶をとる習慣で、そのリスクを減らすことができます。 

生姜の脂質異常改善効果については、中国の中国武装警察部隊総合病院(北京)による9つの論文の統合評価(システマティック・レビュー)で、1日に13gの粉末生姜を1ヵ月半~3ヵ月とり続けた生姜群は、プラシーボ(偽のクスリ)群に比べて、加重平均値(WMD)の差において、中性脂肪を1.63mg/dl有意に低くし、悪玉コレステロールも1.33mg/dl有意に低くし、善玉(HDL)コレステロールを1.16mg/dl有意に高くすると結論づけています。また空腹時血糖も1.35mg/dl有意に低くし、過去12ヵ月間の血糖の平均的な状態を表すヘモグロビンA1c(HbA1c)1.01%有意に低くしました。さらに、感染症やガンなどで体内に炎症や細胞破壊が起きると高くなるC反応性蛋白(CRP)-0.695mg/dl有意に低くすることがわかりました。つまり、生姜をとることによって、脂質異常だけでなく、高血糖も、体内の炎症や細胞破壊も改善するということです。 

イランのタブリーズ医科大学によるランダム化比較試験では、2型糖尿病の人を対象に粉末生姜を1日に2g2ヵ月とり続けた生姜群は、中性脂肪が152128mg/dl、悪玉(LDL)コレステロールが8068mg/dlと有意に下がりました。しかし、プラシーボ(同量のコーンスターチ)群では、中性脂肪が129128mg/dl、悪玉コレステロールが9289mg/dlで有意な低下は認められませんでした。なお善玉(HDL)コレステロールは両群とも有意な変化はありませんでした。つまり、生姜をとることによって、中性脂肪と悪玉コレステロールが改善されるということです。 

これらの理由は、熊本県立大学でのラットを用いた実験やインドのK.S.ランガサミー芸術科学大学での肥満ラットを用いた実験で、生姜は膵リパーゼ活性を阻害することによって、小腸での脂肪やコレステロールの吸収を抑えるからだそうです。 生姜はに示すように、膵リパーゼ活性を通常の3分の1程度に下げる効果があります。生姜は烏龍茶(ウーロン茶)よりも膵リパーゼ活性を強く阻害します。

うれしいことに、緑茶にも悪玉コレステロールを減らす働きがあります。 

中国の北京協和医学院による14の論文の統合評価では、緑茶は悪玉コレステロールを確実に減らすと報告しています。ただし、善玉コレステロールは有意な変化を示しませんでした。善玉コレステロールを高めるには、適度な有酸素運動が有効なようです。 

農研機構(NARO)による17の論文の統合評価では、緑茶を1日に1.48g414週間とり続けると悪玉コレステロールが平均的に9.3mg/dl下がることを報告しています。 

これらの理由は、米国のコネチカット大学の総説(レビュー)によると、緑茶中のカテキン、とりわけエピガロカテキンガレート(EGCG)が小腸での脂肪の吸収を抑えることによって、高めの悪玉コレステロールを下げるからだそうです。 

したがって、脂質異常が気になる人は、脂っこい食事をする際には「生姜緑茶」をとるようにしてください。