生姜緑茶は血液をサラサラにし、高めの血圧を下げるというのは本当か?

【要旨】生姜は血管を広げるとともに血液をサラサラにし、しかも腹部の血流を高めて体を芯から温めることが明らかになっています。また、緑茶にも高めの血圧を下げる働きや血液をサラサラにする働きがあります。したがって、生姜も緑茶も血液をサラサラにし、しかも高めの血圧を下げる働きもあるという、まさに血管・血液に対してW×Wの効果が期待でき、高血圧をはじめ、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞まで予防します。

生姜に関して、生の生姜を加熱(蒸す・茹でる)すると次第に増えてくるショウガオールという成分は、心拍出量を増やすとともに、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体を刺激し、お腹周りの血流量を増やすことが、筑波大学でのラットを用いた実験で明らかにされています。

パキスタンのアーガー・ハーン大学でのラットを用いた実験では、生姜は血管の「カルシウムチャンネル」というCa2+が流入する穴をふさいで、血管を拡張することを明らかにしています。一方、ナイジェリアのアクレ連邦技術大学でのラットを用いた実験では、生姜がアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを抑え、且つ血管内皮細胞において一酸化窒素(NO)を放出させて、血管を拡張することを明らかにしています。つまり、生姜は「カルシウム拮抗作用」と「アンジオテンシン変換酵素阻害作用」の両方で血圧の上昇を抑えているようです。

台湾の中国医薬大学の研究では、血圧が正常な人が1日1gの粉末生姜を1週間飲み続けたところ、低用量アスピリン(バイアスピリン)と同程度の血小板凝集抑制効果を示すことが分りました。また、高血圧治療のためにカルシウム拮抗薬(ニフェジピン)という降圧剤を飲んでいる人が、加えて生姜もとったところ、降圧剤だけのときよりも血液が約3倍サラサラになりました。これは血管が拡張すると同時に血液の流れもよくなったためと考えられます。

インドのキング・ジョージ医科大学でのラットを用いた研究で、7週間高脂肪食のみを与えた対照群、高脂肪食+粉末生姜0.5g/kg/日を与えた生姜群、高脂肪食+粉末ニンニク0.5g/kg/日を与えたニンニク群において、7週間後の収縮期血圧の上がり方を調べたところ、図に示すように生姜群が最も血圧を上げにくいことがわかりました。

一方、緑茶に関しては、カナダのマックマスター大学による14論文の統合評価(システマティック・レビュー)で、緑茶は肥満の人の収縮期血圧も拡張期血圧も有意に下げると結論づけています。

オーストラリアのグリフィス大学による13論文の統合評価では、肥満の人でなくとも収縮期血圧が130mmHg以上の人は緑茶によって収縮期血圧も拡張期血圧も有意に下げることを明らかにしています。

ポーランドのポズナン医科大学では、肥満で高血圧の人を対象に、1日に粉末緑茶約3g(208mgのEGCGを含む)相当の緑茶抽出物を3ヵ月とったグループとプラシーボ(ニセのクスリ)を3ヵ月とったグループで血圧を比較しています。それによると、緑茶抽出物をとったグループは145/88→141/84mmHgで、収縮期血圧が4.9mmHg下がり、拡張期血圧が4.7mmHg下がったのに対し、プラシーボグループは146/89→146/89mmHgで、ほとんど変化が見られませんでした。

中国の中国医学科学院・北京協和医学院による25論文の統合評価では、緑茶の血圧降下作用は紅茶よりも大きく、また12週間以上続けるとその効果がはっきりしてくることを明らかにしています。

緑茶は高めの血圧を下げるだけではありません。食前に緑茶を飲むことで食後低血圧も防ぐことが、大邱(テグ)カトリック大学校による老人を対象にした試験で明らかになりました。

スウェーデンのリンシェーピン(リンショーピング)大学による健常者を対象とした試験で、緑茶、紅茶、ルイボス茶のうち、緑茶とルイボス茶はアンジオテンシン変換酵素(ACE)の働きを抑えて血圧を下げる働きがあると述べています。

血液をサラサラにするには、主に動脈において血小板の働きを抑えて血小板血栓ができにくくする抗血小板作用と、主に静脈において凝固因子の働きを抑えてフィブリン凝固を起こしにくくする抗凝固作用の二つがあります。韓国の忠北大学校の実験的研究で、茶カテキンの血液サラサラ効果は生姜と同様、前者の抗血小板効果だそうです。

体型がやや太めで血圧がやや高めの人は、生姜緑茶が効果的と思われますので、1日3~6杯の「生姜緑茶」習慣を少なくとも3ヶ月は続けてみてください。