【第59節】抗糖化ナンバーワン食材のショウガで美肌のキープや糖尿病合併症の予防が可能!

  ブドウ糖などの糖と、タンパク質が体内で結びつき、劣化したタンパク質に変性する非酵素的な糖化反応は、肌にも他の諸器官にもさまざまな悪影響を及ぼします。
  糖化反応によって体内に終末糖化産物(Advanced Glycation Endprpducts:AGEs)という劣化タンパク質が蓄積され続けると、肌や血管などの諸器官の老化が早まってしまいます。
  糖尿病の指標となるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、糖化反応の中間糖化産物で、HbA1c値が高い(概ね5.6以上の)人は、糖化反応が進行している状態にあると考えられます。
  AGEsは加齢とともに増加してきますが、体内に過剰に沈着すると、肌の老化だけでなく、さまざまな病気の原因にもなります。
  肌のエイジングは右図のように、活性酸素などによる「酸化」、感染や負傷などによる「炎症」のほか、AGEsによる「糖化」で加速され、「糖化」によって肌のハリや弾力が失われ、黄ばみ・くすみ・シワ・たるみ・カサつきなどを引き起こします。
  また、眼、脳神経、血管、血液、骨などの諸器官にも悪影響を及ぼし、特に糖尿病の合併症(網膜症・腎症・神経障害)と密接に関係しています。
  糖尿病の人は、AGEsが蓄積されやすく、動脈硬化、アルツハイマー、白内障、骨粗鬆症などの発症リスクも高くなるといわれています。
  では、糖化を防ぐ食材として、どのようなものが有効なのでしょうか?
  インド(ハイデラバード)にある国立栄養研究所のSaraswat氏らによる研究(Br J Nutr 2009; 101(11); 1714-21)では、糖化を防ぐ食材として、17種類を選び、真空凍結乾燥した食材粉末の糖化阻止率をAGE蛍光法で測定しています。
  その結果、糖化を阻止する作用が最も高かったのはショウガで、その糖化阻止率は93%という高値を示しました。
  ショウガに続いて、シナモン(88%)、クミン(86%)、緑茶(86%)、黒胡椒(50%)、バジル(45%)、リンゴ(45%)、ツルレイシ(40%)、レモン(37%)、ニンニク(31%)、オレンジ(29%)、キュウリ(7%)、タマネギ(6%)の順で、ほうれん草、ヒメウイキョウ、グアバ、マスタードは検出限界以下でした。
  なお、ショウガはSDS-PAGE法やタンパク質カルボニル法で測定しても、糖化阻止率がトップでした。
  そのため、ショウガには糖尿病性白内障を予防したり、その進行を遅らせたりする効果があります。
  上記の国立栄養研究所のSaraswat氏らの別の研究(Mol Vis 2010; 16: 1525-37)では、対照群として正常なラットのGroupⅠ、ストレプトゾトシン(STZ)で膵ランゲルハンス島を破壊して糖尿病を誘発させるだけでショウガ粉末を与えないGroupⅡ、糖尿病誘発ラットに0.5%濃度のショウガ粉末を与えたGroupⅢ、糖尿病誘発ラットに3%濃度のショウガ粉末を与えたGroupⅣについて、約2ヶ月後の白内障のステージ(進行度)を比較しています。
  右上の写真(A)やグラフ(B)を見て分かるように、9週後において、対照群のGroupIの白内障のステージは0、GroupⅡのステージは2.5、GroupⅢのステージは1.6、GroupⅣのステージは0.8となり、糖尿病を誘発させる薬剤にショウガ摂取を併用すると、白内障の発症がかなり抑えられました。
  このように、ショウガは、その糖化抑制作用によって、糖尿病性白内障の進行を用量依存的に抑えることが分かりました。
  ショウガは、美肌を損なう三大要因である「酸化」・「糖化」・「炎症」のすべてを抑える作用を持ち合わせているほか、糖尿病の合併症の予防や進展を食い止めるのに役立つと考えられるため、美しい肌をキープしたい人や糖尿病(血糖値)が気になる人は、日常的にショウガを摂ることをおすすめします。