【第58節】ショウガによる脂質異常(中性脂肪&コレステロール)改善効果が臨床試験で実証される!

  脂質異常症(かつての高脂血症)の人は、その疑いがある人も含めると、1,410万人(H18年国民健康・栄養調査)にのぼり、中高年者にとっては決して他人事ではありません。
  最近、ショウガはカラダを温めてエネルギー代謝をアップするほかに、脂質異常を改善することが、臨床研究で明らかになりました。
  イラン(バボル)にあるバボル医科大学のAlizadeh-Navaei氏らによるランダム化比較試験(Saudi Med J 2008;29(9):1280-4)では、脂質異常症の人を対象に、ショウガ摂取群の45人にはショウガ粉末を一日あたり3g(1gずつ3回)を摂取してもらい、プラシーボ(偽薬)群の40人には一日あたり同量の乳糖を摂取してもらい、1.5ヵ月(45日)後の血中脂質の状態を調べました。
  その結果、ショウガを摂取することよって、血清中のトリグリセライド(中性脂肪)(上図)とLDLコレステロール(値が高いと悪玉になるコレステロール)(中図)が有意に低下し、HDLコレステロール(値が高いと善玉になるコレステロール)(下図)が有意に増加しました。
  また、両群間の比較で、ショウガ摂取群ではトリグリセライドと総コレステロールがプラシーボ群に比べ、有意に低下することも分かりました。
  この臨床研究は、一日3gのショウガ粉末を1.5ヶ月間摂り続けた結果ですが、一般的には、一日1~2gのショウガ粉末を摂取するようにすれば、3ヶ月後くらいで、この結果と同程度の脂質異常の改善が期待できます。
  脂質異常症と診断される基準は、空腹時の血清中濃度で、トリグリセライド値が150mg/dLか、またはLDLコレステロール値が140mg/dL以上か、またはHDLコレステロール値が40mg/dL未満かの何れかが当てはまる場合です。
  脂質異常症の人は動脈硬化を引き起こしやすく、ひいてはそれが心筋梗塞や脳梗塞などの致死性心血管病にまで進展してしまうおそれがあります。
  トリグリセライドやLDLコレステロールが高めの人やHDLコレステロールが低めの人は、すぐにスタチン(Statin)などのコレステロール降下薬にあまり頼り過ぎずに、まずはショウガ摂取を含めた食事(高カロリーかつ高脂肪)習慣の見直しや運動習慣を心がけるとよいでしょう。