【第29節】生姜紅茶を飲んで口臭や歯周病を防ぎましょう!

  歯周病(Periodontal disease)は、下図のように、プラーク(plaque)と呼ばれる細菌の塊(歯垢)が歯の周りにくっつき、やがて歯石となるのが原因で起こり、次第に歯を支える歯肉やその周辺組織に炎症が広がり、悪化すると歯槽骨が溶けて歯がグラグラになり、やがて抜け落ちてしまう病気です。
  厚労省の歯科疾患実態調査(2005年)によれば、歯肉出血や歯石沈着をも歯周病予備軍に含めると、歯周病またはその予備軍の人は、30歳前後の若い世代ですでに約80%、50歳前後の中年層では88%となっています。
  成人が歯を失う最大の原因はミュータンス菌(streptococcus mutans)などによる虫歯(Caries)ではなく、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(porphyromonas gingivalis; PG菌)やプレボテラ・インテルメディア菌(prevotella intermedia; PI菌)などによる歯周病です。
  歯周病は心血管病と密接な関係があり、歯周病菌が腫瘍壊死因子-α(TNF-α)などの炎症性サイトカインをつくり出し、血管壁に炎症を起こし、この炎症部分から動脈硬化、引いては心筋梗塞や脳梗塞にまで発展します。
  そして、右図のように、歯周病になるとインスリンの効きが悪くなり、糖尿病の発症リスクが高まったり、糖尿病になると歯周病が悪化したりするという相互作用もあります。
  さらに、歯周病が舌がん、頭頸部がん、肺がん、膵がん、腎がんなどのリスクを高めることも分かっています。
  歯周病になると、口臭が発生したり、歯を磨くと出血したり、歯がぐらついたりする症状が見られます。
  口臭の原因の約6割が歯周病によるものだそうですが、この臭いの主成分は生ゴミ臭といわれるメチルメルカプタンです。
  韓国の生命工学研究所のLee氏らによる研究(Phytothr Res 2008;22:1446-9)によれば、生のショウガに多く含まれるジンゲロール(10-gingerolや12-gingerol)はPG菌やPI菌などの歯周病菌に対して殺菌効果を有することを明らかにしました。
  ロンドン大学薬学校のTaylor氏らの解説(Food Sci Technol Bull 2005;2:71-81)によると、緑茶や紅茶などに含まれているカテキン類のうち、とりわけエピガロカテキンガレート(EGCg)やエピカテキンガレート(ECg)などのガレート型カテキンもジンゲロール同様、歯周病菌に対して殺菌効果があるそうです。
  インドのラージャスターン大学のJain氏らによる研究(J Ethnopharmacol 1989;27:129-40)では、ショウガの殺菌作用はグラム陰性菌(大腸菌群、サルモネラ属菌、腸炎ビブリオなど、但し緑膿菌には殺菌効果なし)のみならず、頑丈な細胞壁をもつグラム陽性菌(黄色ブドウ球菌、結核菌、炭疽菌、枯草菌など)にも有効だそうです。
  このように、ショウガ紅茶は全身の血行をよくするばかりでなく、歯茎や血管の炎症を抑え、また歯周病や食中毒の原因となる細菌の細胞膜(脂質二重構造)を破壊することによって、口臭抑制や食中毒の防止ならびに歯周病と関連した多くの生活習慣病の予防に大い効果が期待できます。
  そのためには、ショウガとお茶(紅茶や緑茶など)は冬場だけでなく、年間を通して習慣的に摂るようにすると、その相乗効果(synergy effect)が期待でき、健康にとてもよいと考えられます。