【第22節】”しょうが”はワルファリンの作用に悪影響を及ぼさない!

  ”しょうが(生姜)”の血小板凝集阻害能はちょうど低用量アスピリン(商品名バイアスピリン)と同程度で、血液を程よくサラサラにしてくれます。
  ところが、深部静脈血栓症や心房細動などで、経口の抗凝固薬ワルファリン(商品名ワーファリン)を処方されている人が”しょうが”を摂ると、血液サラサラの度が過ぎて出血傾向が助長されるのではないかとの心配があります。
  ワルファリンは血液凝固因子を作るのに必要なビタミンKの働きを抑えることによって血液を固まりにくくするので、ビタミンKを多量に含む食物(納豆・クロレラ・海苔・青汁など)はワルファリンの効き目を弱めてしまいます。
  また、ワルファリンの効果は3~5日間持続するため、その間の飲み合わせや食べ合わせがよく問題になります。
  たとえば、ワルファリンは解熱鎮痛剤(NSAIDs)、抗血小板剤、飲酒などによって作用が強まり過ぎたり、逆に骨代謝改善剤(ビタミンK含有)や抗生物質(リファンピシンなど)によって作用が弱まり過ぎたりします。
  それでは、肝心なワルファリンと”しょうが”では相乗効果があるのでしょうか?
  オーストラリアのシドニー大学薬学部のJiang氏らの研究(Br J Clin Pharmacol 2005;59(4):425-32)では、健常男性12名を対象に、①7日間ワルファリンのみ、②7日間ワルファリン服用後に7日間ワルファリンと粉末ショウガ(0.4g/日)摂取において、プロトロンビン時間-国際標準比(prothrombin time-international normalized ratio; PT-INR)を比べています。
  なお、PT-INRの基準値は大体0.85~1.15で、脳梗塞などでは2.0~3.0にコントロールされることが多く、PT-INRが大きくなればなるほど凝固しにくく、出血しやすい状態になります。
  この試験結果でPR-INRはワルファリンで1.12、ワルファリンと”しょうが”でも1.12と変わらず、ワルファリンと”しょうが”での相乗効果は認められませんでした。
  このように、一日に”生しょうが”5g程度の摂取では、ワルファリンと一緒に摂っても、血液をサラサラにし過ぎて出血傾向を助長するようなことは考えられません。