【第17節】健康志向の人はミルクティを止めて”しょうが紅茶”をどうぞ!

  紅茶(Black tea)には、鮮やかな橙赤色のテアフラビン(Theaflavin)と、濃い赤褐色のテアルビジン(Thearubigin)という色素のフラボノイド系ポリフェノールが多く含まれています。
  テアフラビンは緑茶に多く含まれているカテキン(タンニンともいう)が2分子重合したもの、テアルビジンはカテキンが3分子以上重合したものです。
  したがって、紅茶・中国茶(烏龍茶など)・緑茶には、類似した茶葉フラボノイドが入っており、活性酸素の除去、血中脂質の改善、抗がん作用、抗肥満作用、高血圧の改善、血糖上昇抑制作用、抗菌・抗ウイルス作用などが期待できます。
  これらの茶葉フラボノイドは、血管内皮細胞での酸化窒素合成酵素(eNOS)に作用して血管を拡張させたり、血管の炎症や血栓の形成を抑えたりして、血圧の上昇や心筋梗塞・脳卒中などの心血管病の発症リスクを下げる働きをしています。
  ところが、紅茶にミルクを入れてしまうと、この働きが弱められてしまい、紅茶のフラボノイドとしての効能が台無しになってしまいますので、私はマカイバリ茶園のダージリン紅茶に”しょうが(生姜)”の絞り汁を入れて飲んでおります。
  ドイツにあるベルリン大学カリテ病院のStangl氏らによる研究(Eur Heart J 2007;28:219-23)では、16人の女性ボランティアに、①紅茶、②スキムミルク(脱脂粉乳)10%入り紅茶、③水を、それぞれ500mlずつ飲んでもらい、①、②、③をそれぞれ飲んだ時の駆血解除後の上腕動脈の血管径が、何も飲まない時に比べ、何%変化するか(%FMD)を超音波画像で調べました。
  その結果、紅茶では血管径の増加率が4.3%でしたが、ミルク入り紅茶では0.8%、水では1.0%に過ぎませんでした。
  そこで、ラットを用いた動物実験も行ったところ、紅茶では大動脈が拡張し、血流増加が認められましたが、ミルク入り紅茶ではこのような傾向が認められず、またミルクの中のカゼイン(Casein)が、カテキンと結合してしまい、この効果を阻害していることを突き止めました。
  したがって、紅茶・中国茶・緑茶などに多い茶葉フラボノイドによる効能を期待する場合には、これらとミルクを一緒に摂らないようにすることが賢明です。
  一方、”しょうが紅茶”(Ginger back tea)は、紅茶成分が”しょうが”(体幹部のみの血行促進)では力不足の下半身や四肢末端の血行促進をはかるため、全身の血液循環を良くします。
  また、”しょうが紅茶”は”しょうが”の成分がマクロファージを活性化し、紅茶の成分がγ/δ-T細胞を活性化して、風邪やインフルエンザなどの感染症を防いだり、軽減したりする働きもあります。
  さらに、つい最近、中国の天津大学薬学部のChen氏らによる研究(J Food Sci 2009;74(6):C469-74)で、紅茶・烏龍茶・緑茶でのα-グルコシダーゼ阻害(糖質の消化・吸収を遅らせる)作用や抗酸化作用を、同一濃度の多糖体(Polysaccharides)で調べたところ、紅茶が格段に優れていることが明らかになりました。
  特定保健用食品(特保)などで、α-グルコシダーゼ阻害作用や抗酸化作用をもつ食品や飲料が数多く出回っていますが、食事に際して”しょうが紅茶”を飲めば、糖の吸収を穏やかにし、かつ中性脂肪の蓄積も防げますので、特保以上かも知れません。
  ただし、カフェインが、抽出液100mlあたり紅茶には50mg、コーヒー40mg、烏龍茶20mg、緑茶(煎茶)20mg程度入っていますので、紅茶やコーヒーを夜に摂ると寝付きが多少、悪くなるかも知れません。