【第4節】ショウガはダイエット効果や血糖抑制効果がある優れモノ

  2008年7月から8月にかけて実施した(株)永谷園との共同研究によって、ショウガを食べると痩せられる可能性が明らかになりました。
  つまり、加熱処理したショウガに多く含まれるショウガオールやジンゲロンの経口摂取は、副腎髄質からのカテコールアミンの分泌や交感神経系の働きを高め、エネルギー消費量を増加させる方向に作用することが分かったのです。
  人による実験で、加熱処理したショウガ抽出物(生のショウガ20g相当)を摂取すると、食事によるエネルギー消費量の増加分を差し引いた、ショウガ抽出物による正味のエネルギー消費量が、右図のように、安静時に対して、摂取から1時間後10.5%、2時間後11.6%、3時間後8.6%、それぞれアップしました。
  もちろん、温かい食品を摂っただけでも30分間くらいは身体が温まり、エネルギー消費量もアップしますが、それにショウガを加えることによって、3時間も持続するようになります。
  この研究成果は、2008年11月13~15日、東京慈恵会医科大学で開催される第54回日本宇宙航空環境医学会総会で発表される予定になっています。
  また、近畿中国四国農業研究センターの関谷敬三氏らによる動物実験(Bio Factors 2004;22:153-6)で、マウスに一日あたり50mg/kgのショウガ抽出物を19日間与え、その後、体重1kgあたり2gのブドウ糖を与えて60分後の血糖値を調べたところ、ショウガ抽出物を与えた群では平均147mg/dl、与えなかった群では平均228mg/dlとなりました。
  これは、生あるいは乾燥処理したショウガに多く含まれるジンゲロールが小型の脂肪細胞を増やし、インスリン感受性を高めるためで、血糖値の抑制効果のみならず、動脈硬化性疾患(脳卒中や心筋梗塞など)の発症リスクを高めるメタボリックシンドローム(MetS;内臓脂肪症候群)の予防効果も期待されています。
  なお、MetSの診断基準(概略)は、右図のように、腹囲(おヘソ周り)が男性85cm以上、女性90以上で、かつ血中脂質異常、血圧高値、高血糖の3項目のうち、2項目以上を満たす場合をいいます。
  さらに、中部大学の伊佐保香氏らによる試験管内実験(Biochem Biophys Res Commun2008;373:429-34)で、加熱処理したショウガに多く含まれるショウガオールには、内臓脂肪細胞から分泌される抗糖尿・抗動脈硬化作用を有するアディポネクチン(adiponectin)というホルモンを増やすスイッチをオンにする”PPARγ(核内受容体型転写因子)”の働きを促して、アディポネクチン(adiponectin)を増やすことが明らかになりました。
  アディポネクチンは肥大化していない正常な内臓脂肪細胞から分泌されるホルモンで、インスリン感受性を高めたり、筋肉細胞などが脂肪を燃焼させるのを助けたり、動脈硬化や血栓を予防したりする作用があります。
  このように、ショウガは体幹部を温める効果に加えて、ダイエットに効果や血糖抑制効果などが期待できますので、冷え性の人や減量したい人ならびに血糖値が気になる方におすすめです。